分野の分類

18の分野について

18分野は、CS2023と科研費審査区分を基に、tojihubが学びたい内容から大学を探せるように作成しています。ここでは、各分野とCS2023・科研費審査区分の対応を並べています。

CS2023と科研費審査区分について

CS2023は、計算機科学の学会ACM、IEEEのコンピュータ分野の学会IEEE Computer Society、人工知能の学会AAAIによるコンピュータサイエンスの学部教育の指針です。計算の基礎、ソフトウェア、システム、人との関わりなど、CS教育で扱う内容を確認するために参照しています。

CS2023の知識領域を見る(掲載ページ・外部サイト) ↗CS2023最終報告の案内を見る(掲載ページ・外部サイト) ↗

科研費審査区分表(2023年度改正)は、日本の研究助成の審査に使う分類です。情報学と、認知・社会・人文などの隣接分野がどのように位置づけられているかを確認するために参照しています。

日本学術振興会の審査区分表を見る(掲載ページ・外部サイト) ↗

どちらも、大学の優劣や入試の系統を決める資料ではありません。科研費の研究区分から、その大学で受講できる内容を直接判断することもできません。

18分野と外部分類の対応

理論・数理・計算科学
CS2023 · 教育領域
  • AL Algorithmic Foundations
  • MSF Mathematical and Statistical Foundations
科研費 · 研究区分
  • 60010 情報学基礎論関連
  • 60020 数理情報学関連
  • 60100 計算科学関連
理論・数理・計算科学の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

計算の仕組みや限界、問題を解く手順、数理モデルとシミュレーションを学ぶ分野。

テーマの例:計算理論、アルゴリズム、数理最適化、数値シミュレーション

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

計算・アルゴリズムの理論と、数学的な基礎に対応します。

理論、最適化、数値的な問題解決を一つの入口にまとめています。

隣接分野との違い・重なり

統計的な推測・分析は「データサイエンス・統計」分野、計算を高速に実行する基盤は「コンピュータシステム・半導体・高性能計算」分野にも関わります。数学の科目があるだけでは、この分野を専門として学べる根拠にしません。

データサイエンス・統計
CS2023 · 教育領域
  • MSF Mathematical and Statistical Foundations
  • DM Data Management
科研費 · 研究区分
  • 60030 統計科学関連
データサイエンス・統計の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

データのばらつきや不確かさを捉え、分析とモデル化を通じて現象を理解する分野。

テーマの例:統計解析、モデリング、データ分析

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

統計的な基礎に加え、分析に使うデータの管理・処理にも関係します。

統計科学に含まれるデータサイエンスとモデル化を中心にしています。

隣接分野との違い・重なり

学習・推論の仕組みは「AI・機械学習」分野、データの保存・検索を支える技術は「データベース・Webサービス」分野とも重なります。データを使う授業すべてに付ける分類ではありません。

AI・機械学習
CS2023 · 教育領域
  • AI Artificial Intelligence
科研費 · 研究区分
  • 61030 知能情報学関連
  • 61040 ソフトコンピューティング関連
AI・機械学習の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

データや知識を使って学習・推論・認識を行う仕組みを学ぶ分野。

テーマの例:学習、推論、自然言語処理、知識表現

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

学習、推論、知識表現など、人工知能の仕組みに対応します。

知能情報学と、ニューラルネットワーク等を扱うソフトコンピューティングを対応先にしています。

隣接分野との違い・重なり

画像や音声を対象にする場合は「画像・音声・CG」分野、ロボットで使う場合は「ロボティクス・制御」分野とも関係します。AIツールを授業で利用するだけでは付与しません。

ソフトウェア・プログラミング
CS2023 · 教育領域
  • FPL Foundations of Programming Languages
  • SDF Software Development Fundamentals
  • SE Software Engineering
科研費 · 研究区分
  • 60050 ソフトウェア関連
ソフトウェア・プログラミングの内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

プログラムの表現と実行、ソフトウェアの設計・開発・検証・保守を学ぶ分野。

テーマの例:言語、開発手法、ソフトウェア工学

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

プログラミング言語、開発の基礎、ソフトウェア工学に対応します。

ソフトウェア関連のうち、言語と開発方法を主な範囲にしています。

隣接分野との違い・重なり

OSや並列実行の基盤は「コンピュータシステム・半導体・高性能計算」分野にも含めます。入門的なプログラミング科目だけで専門分野と判定しません。

コンピュータシステム・半導体・高性能計算
CS2023 · 教育領域
  • AR Architecture and Organization
  • OS Operating Systems
  • PDC Parallel and Distributed Computing
  • SF Systems Fundamentals
  • SPD Specialized Platform Development
科研費 · 研究区分
  • 60040 計算機システム関連
  • 60050 ソフトウェア関連
  • 60090 高性能計算関連
コンピュータシステム・半導体・高性能計算の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

半導体・集積回路から計算機構成、OS、組込み、並列・分散処理、高性能計算まで、情報を処理する基盤を扱います。

テーマの例:計算機構成、OS、組込み、並列・分散計算、半導体・集積回路

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

計算機の構成、OS、並列・分散処理、システムの基礎に対応し、組込みシステムの開発にも関係します。

ハードウェア、システムソフトウェア、高性能計算を、計算基盤の観点でまとめています。

隣接分野との違い・重なり

「ソフトウェア・プログラミング」分野とはソフトウェアを作る方法と動かす基盤の観点が異なります。数値モデル自体は「理論・数理・計算科学」分野、ネットワーク通信は「ネットワーク・通信」分野にもつながります。

ネットワーク・通信
CS2023 · 教育領域
  • NC Networking and Communication
科研費 · 研究区分
  • 60060 情報ネットワーク関連
  • 21020 通信工学関連
ネットワーク・通信の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

機器やシステムの間で情報を伝える仕組みと、ネットワークの構成・運用を学ぶ分野。

テーマの例:インターネット、無線通信、通信方式

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

計算機ネットワークと通信の仕組みに対応します。

情報ネットワークと、その基礎・隣接領域である通信工学を参照します。

隣接分野との違い・重なり

情報を保護する技術は「セキュリティ」分野にも関わります。通信工学のすべてを計算機ネットワークと同一視しません。

セキュリティ
CS2023 · 教育領域
  • SEC Security
科研費 · 研究区分
  • 60070 情報セキュリティ関連
セキュリティの内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

情報やシステムを守るための暗号、認証、攻撃への対策、プライバシー保護を学ぶ分野。

テーマの例:暗号、認証、攻撃対策、プライバシー

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

情報やシステムの安全性を扱う内容に対応します。

情報セキュリティを中心に、保護の仕組みと評価を範囲にしています。

隣接分野との違い・重なり

技術上の保護と社会制度・倫理には関わりがあります。情報倫理の入門だけでセキュリティの専門経路とは判断しません。

データベース・Webサービス
CS2023 · 教育領域
  • DM Data Management
  • SDF Software Development Fundamentals
  • SE Software Engineering
科研費 · 研究区分
  • 60080 データベース関連
  • 62020 ウェブ情報学およびサービス情報学関連
データベース・Webサービスの内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

情報を蓄積・整理・検索する技術と、それを使ったWebシステムやサービスを学ぶ分野。

テーマの例:データ管理、情報検索、Webシステム

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

データの管理と、Webサービスを作るための開発技法に関係します。

データベースと、情報を提供・利用するWebサービスの技術をまとめています。

隣接分野との違い・重なり

データを分析する「データサイエンス・統計」分野や、開発技法を扱う「ソフトウェア・プログラミング」分野と重なります。情報資源の公共的な提供・組織化は「図書館・知識情報」分野にも関係します。

画像・音声・CG
CS2023 · 教育領域
  • GIT Graphics and Interactive Techniques
  • AI Artificial Intelligence
科研費 · 研究区分
  • 61010 知覚情報処理関連
  • 60090 高性能計算関連
画像・音声・CGの内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

画像・音声を認識・処理し、CGや映像、可視化で情報を表現する分野。

テーマの例:画像認識、音声処理、映像生成、可視化

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

画像・映像の表現や処理、コンピュータグラフィックスに関係します。

知覚情報処理に加え、高性能計算の内容例にあるCG・可視化を部分的に参照します。

隣接分野との違い・重なり

認識の方法が機械学習なら「AI・機械学習」分野、操作や体験の設計は「HCI・情報デザイン」分野・「ゲーム・エンタテインメント」分野にも関わります。メディアの社会的な分析は「社会情報・メディア論」分野で扱います。

HCI・情報デザイン
CS2023 · 教育領域
  • HCI Human-Computer Interaction
科研費 · 研究区分
  • 61020 ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
  • 90010 デザイン学関連
HCI・情報デザインの内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

人が情報やシステムを理解・操作する過程を調べ、使いやすさと情報の伝え方を設計する分野。

テーマの例:人とコンピュータ、使いやすさ、情報提示

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

人とコンピュータの相互作用、使いやすさの評価と設計に対応します。

相互作用の技術と評価、情報デザインに関わる部分を組み合わせています。

隣接分野との違い・重なり

人の認知自体を研究する「認知科学・感性情報」分野と重なります。デザイン学全体を情報デザインへ置き換える分類ではありません。

認知科学・感性情報
CS2023 · 教育領域
  • HCI Human-Computer Interaction
  • AI Artificial Intelligence
科研費 · 研究区分
  • 90030 認知科学関連
  • 61060 感性情報学関連
認知科学・感性情報の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

人の理解・判断・知覚・感性を、実験や計算モデルなどから調べる分野。

テーマの例:認知モデル、理解・判断、感性の分析

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

人の認知や感性を、コンピュータとの関わりから考える内容に関わりがあります。

認知科学と感性情報学にある、人の情報処理と評価の関わりをまとめています。

隣接分野との違い・重なり

システムとの相互作用を設計する「HCI・情報デザイン」分野や、知能の計算モデルを扱う「AI・機械学習」分野と関連します。心理学の全体を情報系として扱いません。

ロボティクス・制御
CS2023 · 教育領域
  • AI Artificial Intelligence
  • SPD Specialized Platform Development
科研費 · 研究区分
  • 61050 知能ロボティクス関連
  • 21040 制御およびシステム工学関連
ロボティクス・制御の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

周囲を捉えて行動するロボットと、対象の動きを目的に合わせて制御する仕組みを学ぶ分野。

テーマの例:自律ロボット、行動計画、システム制御

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

ロボットの知能や、実際の機器で動く仕組みの開発に関わりがあります。制御理論については科研費の区分も参照しています。

自律的な行動の知能と、制御・システム理論を組み合わせています。

隣接分野との違い・重なり

認識・計画では「AI・機械学習」分野・「画像・音声・CG」分野、実装基盤では「コンピュータシステム・半導体・高性能計算」分野と重なります。機械工学全体をこの分野に含めるわけではありません。

生命・医療情報
CS2023 · 教育領域
  • DM Data Management
  • AI Artificial Intelligence
科研費 · 研究区分
  • 62010 生命、健康および医療情報学関連
生命・医療情報の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

生命・健康・医療の課題に、データ解析や情報システムの方法を使って取り組む分野。

テーマの例:生命データ、生体情報、医療情報

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

生命・医療データの管理や分析に、データ管理とAIの方法が関わります。

生命、健康、医療の情報を対象とする研究区分に対応させています。

隣接分野との違い・重なり

使う手法により「データサイエンス・統計」分野・「AI・機械学習」分野・「データベース・Webサービス」分野とも関係します。医療を事例に使う一般的な分析演習だけで専門経路とは判断しません。

教育・学習支援
CS2023 · 教育領域
  • HCI Human-Computer Interaction
  • AI Artificial Intelligence
科研費 · 研究区分
  • 62030 学習支援システム関連
教育・学習支援の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

学習を支えるシステムや教材、学習データの活用と効果の評価を学ぶ分野。

テーマの例:学習システム、学習メディア、遠隔学習

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

学習者が使う画面や操作の設計、AIを用いた学習支援に関わりがあります。

学習支援システムの目的と、学習メディアを扱う範囲を参照します。

隣接分野との違い・重なり

相互作用の設計は「HCI・情報デザイン」分野、知的な支援は「AI・機械学習」分野にも関わります。教育学全般やオンライン授業を受けること自体は対象にしません。

ゲーム・エンタテインメント
CS2023 · 教育領域
  • GIT Graphics and Interactive Techniques
  • HCI Human-Computer Interaction
  • SPD Specialized Platform Development
科研費 · 研究区分
  • 62040 エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
ゲーム・エンタテインメントの内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

ゲームや音楽、メディア表現、対話的な体験を情報技術で作り、調べる分野。

テーマの例:ゲーム、音楽情報、メディアアート

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

映像表現、操作や体験の設計、ゲームを動かす仕組みの開発に関係します。

ゲーム制作に限らず、音楽情報やメディアアートを含む区分を参照します。

隣接分野との違い・重なり

映像表現は「画像・音声・CG」分野、体験や操作の設計は「HCI・情報デザイン」分野と重なります。ゲームを題材にした入門演習だけでは専門経路としません。

社会情報・メディア論
CS2023 · 教育領域
  • SEP Society, Ethics, and the Profession
科研費 · 研究区分
  • 90020 図書館情報学および人文社会情報学関連
  • 62020 ウェブ情報学およびサービス情報学関連
社会情報・メディア論の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

情報やメディアが人々の関係・社会・制度にどう関わるかを調べる分野。

テーマの例:情報社会、社会ネットワーク、メディアと社会

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

情報技術と社会・倫理の関係を考える内容に関わりがあります。

90020の社会情報学に関わる部分と、62020の社会ネットワーク・情報文化等の関わりを参照します。

隣接分野との違い・重なり

図書館等の情報資源・サービスが中心なら「図書館・知識情報」分野、人文学の資料や問いが中心なら「人文情報・デジタル人文学」分野にもつながります。通信・画像処理という技術の意味でのメディアは区別します。

図書館・知識情報
CS2023 · 教育領域
  • DM Data Management
  • SEP Society, Ethics, and the Profession
科研費 · 研究区分
  • 90020 図書館情報学および人文社会情報学関連
図書館・知識情報の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

情報資源や知識を整理・保存し、必要な人が見つけて利用できるようにする仕組みを学ぶ分野。

テーマの例:情報資源、知識の組織化、情報サービス

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

情報資源の管理、情報へのアクセスとその社会的な役割に関わりがあります。

90020のうち、図書館情報学、情報資源、組織化、サービスに関わる範囲を独立した入口にしています。

隣接分野との違い・重なり

保存・検索の技術には「データベース・Webサービス」分野との関わりがあります。図書館・知識情報では、情報を必要な人に届けるサービスや、その社会的な役割も扱います。

人文情報・デジタル人文学
CS2023 · 教育領域
  • DM Data Management
  • GIT Graphics and Interactive Techniques
科研費 · 研究区分
  • 90020 図書館情報学および人文社会情報学関連
人文情報・デジタル人文学の内容と、外部分類との関係

この分野で扱うこと

人文学の問いや文化資料に、計算・データ分析・デジタル化の方法を結びつける分野。

テーマの例:人文学資料の分析、文化資料のデジタル化・活用

CS2023・科研費の区分と、この分野の関係

人文学の資料を管理・処理し、可視化する方法に関わりがあります。

90020の人文情報学と文化資料のデジタルアーカイブに関わる範囲を独立した入口にしています。

隣接分野との違い・重なり

資料の管理は「データベース・Webサービス」分野・「図書館・知識情報」分野、可視化は「画像・音声・CG」分野にも関係します。単に文献をパソコンで読むことではなく、人文学の目的と情報学的な方法の両方を確認します。

18分野にまとめた理由

進学先を探す人の目線に立ち、情報分野の国際的な学術団体であるACM・IEEE Computer Society・AAAIがまとめた教育指針「CS2023」と、日本の研究分野を整理した科研費審査区分を基に、tojihubが独自に18分野へ整理しました。

学科・コースで学べる分野について

学べる分野は、シラバス・履修資料・研究指導などの大学の公式案内をもとに設定しています。内容は年度によって変わるほか、掲載していない分野も授業や研究で扱っている場合があります。詳しくは大学の公式案内を確認してください。

この分類に基づき、tojihubが各学科・コースに対応する分野を独自に設定しています。各学科・コースの詳細ページや比較画面に、大学の公式案内へのリンクを掲載しています。

分類を更新するとき

外部分類の改訂や大学の教育内容の変化に応じて、分野の説明と対応関係を見直します。

tojihub · 分野解説記事

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